「金の国 水の国」は2014年に『月刊フラワーズ』にて発表された岩本ナオ先生の作品です。
この作品は2016年に「このマンガがすごい!2017」オンナ編1位受賞を受賞しており、翌年には「マロニエ王国の七人の騎士」にて「このマンガがすごい!2018」オンナ編1位受賞しているんです。
同じ作家の方が異なる作品で2年連続1位を受賞するのは「このマンガがすごい!」史上初めてのことで、岩本ナオ先生はそんな偉業を成し遂げた唯一の作家さんなんですよ。
そんなたくさんの方に支持を受けた「金の国 水の国」が2023年にアニメ映画化されることが決定しました。
ストーリーは敵対し合っている隣国のおっとり王女サーラとお調子者の建築士のナランバヤルの禁断の恋の物語。
この記事では「金の国 水の国」を読んで面白いと思ったところや感想、読者の評判や評価についてまとめて行きたいと思います。
「金の国 水の国」のあらすじ
昔々、隣り合う仲の悪い国がありました。
毎日毎日、つまらないことでいがみ合い、
とうとう犬のうんこの片づけの件で戦争になってしまい
慌てて仲裁に入った神様は2つの国の族長に言いました。A国は国で一番美しい娘をB国に嫁にやり
B国は国で一番賢い若者をA国に婿にやりなさい―――そんな中、A国の姫・サーラはB国の青年と偶然出会い…!?
「金の国 水の国」の登場人物
サーラ
A国の第93王女。
ポッチャリ系のおっとりした心優しいお姫様。
美貌の姉達に対して自身の容姿に自信がなく引け目を感じている。
神様から“B国で一番賢い若者をA国に婿にやりなさい”という言葉によって、B国の男性の結婚することになったが、やって来た結婚相手は犬で、姉達に夫を紹介しなければならず困っていたところ、ひょんなことからナランバヤルと知り合い夫の振りをしてもらうことに。
ナランバヤル
B国に住む設計技師の青年。
ちょっとお調子者で口が上手いが、仕事は真面目で有能。
神様の“A国で一番美しい姫をB国に嫁にやりなさい”という言葉によって、A国の姫を嫁に迎えるが、A国からは猫が送られて来てしまう。
サーラを助けたことがきっかけでサーラの元で夫の振りを協力するようになる。
「金の国 水の国」のここが面白い!【ネタバレなし】
サーラとナランバヤルの奥ゆかしきも美しい恋
仲の悪いA国とB国が遂に戦争を始めてしまった結果、仲裁に入った神様から“A国は国で一番美しい姫をB国に嫁にやり B国は国で一番賢い若者をA国に婿にやりなさい”という命によって、結婚することになったサーラとナランバヤル。
二人とも結婚相手に犬と猫を送られてしまったため、お互いが本来の相手だと知らぬ間に知り合うことになってしまいます。
出会って早々にナランバヤルはそのことに気付きますが、サーラはそのことに気付かぬまま少しずつナランバヤルに惹かれて行くのです。
でも犬のルクマンを追って、B国に足を踏み入れてしまったサーラはナランバヤルの実家でナランバヤルが嫁(実は猫)を貰っていることを知り、自分に自信のないサーラはナランバヤルへの気持ちを断ち切ろうと思ったりします。
それでも彼女はナランバヤルのために、B国の族長からけしかけられたワインの飲み比べ対決に対して、「この国の水が全部ワインでも飲み干す自身がある」と対決を受けるような心の強さも持っている女性なのです。
ナランバヤルもまた今後のサーラのことを思って、国を変えて行こうと立ち上がるなど、ここから惹かれ合っている二人の恋の結末が気になって、最後までページをめくる手が止まらなくなってしまうのです。
金の国と水の国を大きく動かす再建の物語
このお話はサーラとナランバヤルの恋の物語をベースに、二つの国の未来の物語という側面も持っています。
A国は貿易の中継点に位置していて、商業国家としていて栄え、文明も進化している国なのですが、反面自然の恵みが少なく、水が枯渇しかかっている状態です。
水を使って動かしている「動く道」もここ一ヶ月は動かないという有様。
オアシスの水も年々減ってきており、今のままでは80年後には水が枯渇してしまうとナランバヤル達は予想しています。
それに対してB国は「ヘムジールシグィ」という名前の高山があり、山頂では一年中雨が降っており、水が豊富で緑にも恵まれた国ではあるのですが、A国との戦争によって商業のルートが閉ざされてしまっており貧しい国となってしまっています。
そんな状態に対してナランバヤルはサーラの未来のためにも、A国とB国の間に水路を引くために立ち上がるのです。
ナランバヤルは様々な妨害を切り抜けながら奮闘して行きます。
その結果、ナランバヤル達はどのような結末を迎えるのでしょうか?
一冊の物語を読み終えたような充足感
岩本ナオ先生による絵柄は素朴で愛嬌のあるキャラクターの絵柄に対して、それぞれの国の街並みや建物などがとても緻密に丁寧に描かれています。
そしてコミックス一冊の中にギッシリと凝縮された物語が収められており、読み終えた後にまるで何とも言えない充実感で心が満たされるのです。
読んだ人のことを幸せな気分のさせる作品となっていますよ。
「金の国 水の国」がアニメ映画化決定!
「金の国 水の国」はアニメ映画化が決定しました。
今の時点では詳細はまだ明らかにはなっていませんが、公式サイトを確認すると2023年春に公開予定のようです。
キャスト等は今後の続報を待ちたいと思います。
https://twitter.com/kinmizu_movie/status/1539730503946752000
[jin-button-flat visual=”” hover=”down” radius=”50px” color=”#54dcef” url=”https://wwws.warnerbros.co.jp/kinnokuni-mizunokuni-movie/” target=”_self”]映画『金の国 水の国』オフィシャルサイト[/jin-button-flat]
「金の国 水の国」の評判や評価
https://twitter.com/meemun_illust/status/1540522759503347712
https://twitter.com/jooocco/status/1539739978011672576金の国水の国は単行本一冊完結の長編マンガなんですけど、過不足なく完璧でとてもとても素敵なマンガなので未読のひとはぜひ……
— 三日月さん (@konnpeitoubimu) June 22, 2022
金の国水の国久しぶりに再読したけど何度読んでもいい…たった一巻で完結しているのも良き。再読するごとにどんどん涙腺が緩むのがすごい。これから先、人生のいろんなシーンでこの漫画を読み返せるって思うと嬉しくてたまらなくなる
— クモ (@9_92me) June 23, 2022
アニメ映画化決定!「金の国 水の国」の感想と評価や評判|まとめ
岩本ナオ先生は以前に「町でうわさの天狗の子」を読んでいたのですが、その後はしばらく先生の作品から遠ざかっていて、しばらくぶりに手に取ったのが今作の「金の国 水の国」でした。
以前とは違って異国の物語だったので、こういう作品を描かれるのだなと驚いたのを覚えています。
この作品はコミックスも1巻で完結しているので手に取りやすいのではないかと思います。
気になった方はぜひ手に取ってみて下さいね。